ドラムを練習したいけど、騒音が心配だなあ
電子ドラムは、自宅でも気軽にドラムの練習できる楽器です。
しかしドラムを練習したくて電子ドラムを買ったのに、苦情が来て叩けなくなってしまったという話をよく耳にする・・・。
それはなぜか?
そう、
電子ドラムの音って意外と大きいねん…!
私も電子ドラムを10年以上使っているけど、音に関しては結構気を遣わないと、騒音トラブルになりかねません。
なので本記事では、電子ドラム使用歴の長い私が、集合住宅でも使える静かな電子ドラムのおすすめについて紹介します。
電子ドラムは静かじゃない?
電子ドラムはアコースティックドラムと比較すると、圧倒的に静粛性が高いですが、
・防音(叩いた時の打撃音)
・防振(ペダルを踏んだ時の振動)
この2つの音を理解していないと、騒音トラブルになりかねません。
実際アコースティックドラムより音が小さいとはいえ、自宅内の小さなスペースでは、打撃音も結構響きやすい。
なのでこの「防音・防振性」に優れた電子ドラムが、最も静粛性の高いドラムと言えます。
防音・防振に優れた電子ドラムの基準
パッドの材質
静かな電子ドラムを選ぶ上で、まず見ておきたいのがパッドの材質。
パッドの種類は以下の3つです。
- ゴムパッド
-
各メーカーの電子ドラムでも最も使われている材質。
打撃音は大きいが、安価に手に入りやすい。 - メッシュパッド
-
ゴム製に比べて打撃音がとても小さいが、少し高価。
中級グレード以上はメッシュパッドが使われていることがほとんど。 - シリコンパッド
-
ヤマハ製の電子ドラムに採用。
メッシュに比べ打撃音は大きいが、生ドラムの感覚に最も近い。
静粛性の高さで並べると、
- メッシュパッド
- シリコンパッド
- ゴムパッド
このようになります。
基本的に、ゴムパッドは集合住宅での使用をおすすめできません。
私の経験上、壁がコンクリート面であればゴムパッドでも問題なさそうですが、部屋の壁を叩いて響く音がしたらゴムパッドはやめたほうがいいです。
ちなみにシンバル類は、残念ながらゴムパッドしかありません。
叩き方に気をつけましょう。
ペダルの種類
次は隠れた騒音モンスターであるペダルの種類について。
ペダルの種類は以下の2つです。
- キックペダル
-
生ドラムと同じタイプのペダル。
パッドの種類は先程紹介した3つ(ゴム・メッシュ・シリコン) - フットスイッチ式
-
踏むと音が鳴るスイッチ。
消音性が圧倒的に優れているが、キックペダルの感覚と全然違う。
キックペダルもメッシュタイプが最も静粛性に優れていますが、フットスイッチ式に比べると振動がかなり大きいです。
またペダルは騒音を自覚しにくいのがとても厄介。
自分が踏みこむときの振動がダイレクトに床面へ伝わるため、階下に住人がいる場合は想像以上にドタドタと振動音が伝わってしまいます。
なので静粛性を高めるのであればフットスイッチ式がおすすめ。
消音性の高い電子ドラムの組み合わせは?
ずばり、
「メッシュパッド × フットスイッチ式ペダル」
これが最も消音性の高い電子ドラムです。
しかし残念ながら、現在この組み合わせで販売しているドラムセットはありません。
(以前はRolandからこのタイプが出てた)
ただ、正直キックペダルの方がドラム練習に向いてるから、キックペダルタイプで消音性の高い組み合わせを探すのがいいかも
キックペダルでの防振対策
それでは、「消音性」と「ドラム練習」の両立という観点から、キックペダルを使った場合の対策についてご紹介します。
キックペダルの階下への防振対策は2つ。
- ノイズイーターを使用する
- ふにゃふにゃシステムの導入
ノイズイーターを使用する
Rolandより、防振対策パーツとしてノイズイーターという商品が出ています。
キックペダルやハイハットペダルの下に敷き、振動を軽減するアイテムです。
このパーツをペダル下に敷くことで、階下への騒音を75%軽減できるそう。(メーカー測定結果による)
防振対策はやりすぎくらいがちょうどいいので、付けておいて損はないでしょう。
ふにゃふにゃシステムの導入
こちらは電子ドラム界隈で有名な、自作の騒音対策です。
ドラムマットの下に、バランスディスクやタイヤチューブを仕込み、振動を吸収するというもの。
みなさんいろいろな方法で工夫されています。
ちょっと手間はかかりますが、低予算で防振対策ができるので導入しましょう。
消音性の高い電子ドラムの機種
電子ドラムの機種はたくさんありますが、グレードによって装備内容がかなり異なります。
今回は初心者と中級者向けに、消音性の高い電子ドラムの機種を振り分けてみました。
初心者向けで安価なタイプ
安価なグレードでは、バスドラムがゴムパッドタイプが多く、防振対策に苦労します。
本記事で紹介するグレードは、どれも打撃パッドがすべてメッシュなので、消音性が高くおすすめです。
Roland:TD-1DMK
Rolandから出ているオールメッシュタイプで、最も安価なグレード。
以前はオールメッシュだと20万以上していたので、初心者向けにもありがたい価格設定です。
「電子ドラムのことはよくわからない、けど失敗したくない」という方におすすめのグレードです。
Roland:TD-1KPX2
こちらもRolandの初心者向け「TD-1シリーズ」のひとつ。
このタイプはメッシュタイプに加え、超コンパクトに収まるのも特徴的。
電子ドラムを持ち運んで演奏する方は、正直このグレード一択です。
消音性に優れ、かつ持ち運びにも最適な一台です。
Roland:TD-07KV
メッシュパッドはTD-1シリーズと変わりませんが、バスドラムのキックパッドがゴムタイプではなく、クッションパッドになっているので消音性も高い。
また低価格帯ながら、スマホやPCをBluetooth接続できる機能もある。(今までは無かった)
もし予算がもう少し出せるなら、ぜひおすすめしたいグレードです。
Alesis:Surge Mesh Kit
こちらはメッシュパッドに価格破壊を起こしたAlesisの電子ドラム。
オールメッシュタイプがなんと7万円で手に入ります。
耐久性が低い、拡張パーツが売っていない、クラッシュしかミュートできないなど、Alesisは弱点も多い。
なのでそこを理解した上で、とにかく安さを重視する方にはおすすめです。
ちなみにオールメッシュタイプで最安値グレードは、AlesisのNitro Mesh Kit。
なんと5万円以内で購入できます。
Nitro Mesh Kitは遊び道具として買うのはいいけど、本格的にドラムを練習したい方にはあまりおすすめしないかな・・・
中級グレード
正直ここで紹介するグレード以上であれば、基本的に消音性も機能も兼ね備えているものが多いです。
Roland:TD-17KV
先程紹介したTD-07KVと、内容は似ています。
違う点を挙げるとすれば、スネアパッドが大きく、叩いたレスポンスが生ドラムに近いこと。
ドラムの上達を目指すのであれば、このグレードからおすすめです。
ちなみに上位グレードのTD-17KVXは、ハイハットもスタンドタイプなので、より生ドラム感覚で演奏可能です。
ヤマハ:DTX6K3-XUPS
こちらはヤマハの電子ドラム「DTX6シリーズ」の上位グレード。
メッシュタイプに比べると消音性は劣りますが、耐久性も高く、最も生ドラムの感覚に近い電子ドラムです。
ATV:EXS-3
こちらはATVという2017年創設の新しいブランド。
ただこのATV、Roland創業者が立ち上げたブランドなだけあり、RolandのV-Drumに引けを取らないクオリティです。
バスドラムもメッシュタイプの機種でこの価格帯は、2021年現在この商品のみ。
またシンバル類もゴムではなくシリコンパッドでできています。
消音性は若干Rolandが上ですが、大きな差はないのでおすすめできる電子ドラムです。
まとめ
電子ドラムはとても気を遣う楽器です。
練習する上で気をつけるポイントは以下の3つ。
・時間帯(20時以降は叩かない)
・防音(あまり激しく叩かない)
・防振(同居人や近隣住民への配慮)
あまり騒音を気にしすぎると、逆にドラムの練習にならないので、しっかり対策しましょう。
またマンションの構造によっても使える電子ドラムの機種が異なります。
もし近隣住民の生活音が少しでも聞こえてくるなら、Rolandの電子ドラム一択かな。
電子ドラムを使う際は、周囲への配慮を忘れずに!
それでは。
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